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345 名前: パパイヤ [sage] 投稿日: 2006/06/02(金) 16:56:34 ID:J0DAPbDg
「ぺろたん島に行くやつあ、おらんかね」
港で船を舫っている老いぼれが、がなり声を上げた。ぺろたん島というのは、この港から
西へ四キロほど先にある島で、漁を生業とする人々が住んでいる。老いぼれはその島に
住む漁師で、買出しのために本土へやって来た帰りである。島へは連絡船が無いので、
もし帰りが同じになる者がいれば、乗せていってやるのが普通だった。

「そんじゃあ、出るかな」
老いぼれが船を出しかけると、
「おじさん、ちょっと待って!」
と、年のころだと三十前後、渋皮の剥けた、ちょっと年増の良い女が現れた。女は子連れ
で、リュックを背負っている。

「おう、高島んところの碧じゃねえか。乗れ、乗れ」
「助かるわ。ほら、高志、急ぎなさい」
「うん」
碧と呼ばれた女は、十二、三くらいの子供の手をとって、船へ乗り込んだ。その時、スカート
の裾が一瞬、乱れ、生足が膝上まで見えた。肉付きは薄いが、形の良い足である。

「いやだ、悪戯な風ね」
「ふ、ふ、わしは目の保養になったがな」
「まさか、下着までは見えなかったでしょうね?」
「さて、どうだろう」
「まあ、本当に見たの?おじさん、枯れないのねえ」
乱れた裾を気にする碧を、老いぼれはせせら笑った。二人は爺と孫ほど年の差があるが、
その口ぶりはまるで幼なじみのようである。息子の高志は、爺の方はともかくとして、母が
こんな老いぼれと楽しそうに談笑する事が、不思議でならなかった。
346 名前: パパイヤ [sage] 投稿日: 2006/06/02(金) 17:13:12 ID:J0DAPbDg
船は小型だが、大きなエンジンを積んでいるので、中々、力強く波間を進んだ。老いぼ
れは舵を取り、傍らに碧と高志を座らせ、タバコなんぞをふかしている。
「そういやあ、碧。旦那は帰ってこれそうか?」
声のトーンを下げ、老いぼれは言った。碧の隣にいる、高志に遠慮している様だった。

「・・・ううん。復員出来るなら、とっくに帰って来てるだろうって、お役所は言うの。あの人
の戦友だった人たちも連絡がつかなくって」
「行ったのは、ニューギニアだったっけか。激戦だったらしいな」
時は昭和二十五年。日本はまだ敗戦を引きずり、国中が貧困に喘いでいた。兵士を復
員させる為の事業は立ち上がっていたが、なにせ海外の様々な場所で転戦したせいで、
その所在が分からない。碧の夫も、そういった兵士の一人であった。

米軍の捕虜になった者はまだましな方で、異国の戦場で星になった者が数知れないの
である。だが、夫や息子を送り出した家族は、一縷の望みに縋り、いつか帰ってくると信
じていた。たとい死亡通知が来たとて、素直にはいそうですかとはいかなかったのだ。

「お国のためとか言って、随分、若いやつを死なせちまった。わしみたいな老いぼれが
生きてて、何だか申し訳ねえ」
「そんな事、言うもんじゃないわよ、おじさん。死んで花実が咲くものかって、ね。でも、
戦争が終わって良かったわ。この子まで、兵隊に取られたら、私・・・」
碧はそう言って、高志の頭を撫でた。と、その時である。
「ん?何だか、おかしな船が近づいてきやがる」
老いぼれが不意に、そんな事を言い出したのである。
347 名前: パパイヤ [sage] 投稿日: 2006/06/02(金) 17:29:59 ID:J0DAPbDg
「どこのどいつだろうな。真っ直ぐ、こっちへ向かって来る」
「まさか、復員船かしら?」
碧の目が輝いた。もしそうであれば、夫が乗っているかもしれないからだ。

「いや、漁船みたいだが、軍に徴用されてたモノって感じだ・・・」
老いぼれは何か、不安にかられているようだった。実際、彼の言うとおり、その船には後
付されたような砲塔が見て取れる。敗戦濃厚となった大戦末期に徴用された漁船はみな、
あんな感じになったのを、老いぼれは呉の港で見た事があった。そして互いの船は鼻先
をかすめるほど近づき、海の上で停まった。

「おい、じいさん。どこへ行くんだ」
相手の船には、カーキ色の軍服を着た男たちが数人、乗っている。ただし、規律正しい軍
人という感じではなく、どちらかといえば兵隊やくざという風体である。
「ぺろたん島へ帰るのさ。お前さんたちは?」
「俺たちは港へ行くのさ。なに、ちょっと買出しだ」
老いぼれはすぐに、彼らに胡散臭さを感じた。あまり、関わってはいけない連中と見たので
ある。

「・・・その女は娘かい?」
男たちは雁首並べて、老いぼれの傍らに居る碧を伺い見た。その目はぎらつき、女不足で
すと言わんばかりだ。まるで獣の如き視線に、碧は高志を胸に抱きながら顔を背けている。
「娘じゃないが、島のもんだ」
「なあ、そこの女。こちらに来ないか?港へ行って、酒でも飲もうや」
子連れである以上、碧が人の妻である事は百も承知のはずだが、男たちはそんな事を言う
のである。もちろん、碧には船を移る気など無く、老いぼれの影に隠れて、怯えるばかり。
348 名前: パパイヤ [sage] 投稿日: 2006/06/02(金) 17:50:01 ID:J0DAPbDg
「戦地から帰ってきた俺たちを、ちょっと慰めて欲しいんだがな」
「悪いが急ぐんでね・・・」
老いぼれがそう言って、再びエンジンをかけようとした瞬間、パン──という、乾いた音が、
海の上に響いた。

「キャアーッ!」
叫ぶ碧の前に、老いぼれが胸を押さえて倒れこむと、すぐに床が血で赤く染まった。見る
と、向こうの船にピストルを握った男がいる。その銃口からは、白い煙が燻っていた。
「お、おのれ・・・碧、ぼうず・・・逃げるんだ」
老いぼれは死の影に取り憑かれながらも母子の事を案じたが、それもほんの数秒の事で、
彼の者は間も無く物言わぬ骸と化した。

「おじさん、しっかり!」
碧は老いぼれの体をゆすったが、ぴくりとも動く気配は無い。すると、何時の間にかこの
船に、男たちが乗り込んできた。
「即死だ。俺たちは、何年もこんな事ばかりやってたんだ。狙いを外すヘマなんざ、しねえ」
「ひどい・・・何の恨みがあって、こんな事を・・・」
「恨みなんざねえよ」
ピストルを持った男が、碧のブラウスに手をかけた。そして、力任せに薄手の布を引き裂い
てしまう。

「い、いや!何をするの?」
物の無い時代ゆえ、碧の乳房を包むのはさらしを簡単に巻いただけの簡易ブラジャーで
あった。そのため、ふくよかな母性の塊は、押さえが利かずにぶるんぶるんと揺れ動き、男
たちの視線を集めてしまう。
「いい体してる。おい、船に連れ込め」
「ガキはどうします?」
彼らはピストルを持った男を中心に動いているらしく、その点だけは軍規に従っているよう
だった。しかし、老いぼれを何の躊躇も無く殺した所を見ると、やはり真っ当な軍人とは言え
まい。
349 名前: パパイヤ [sage] 投稿日: 2006/06/02(金) 18:10:12 ID:J0DAPbDg
「ガキはいらねえな。海にでも放り込むか」
「そ、そんな!」
碧は高志を抱きしめ、かぶりを振った。そんな恐ろしい事を、何の気無しに言うこの男は
どれほど冷酷なのだろう。もちろん、碧はその様な事をさせまいと抗った。

「高志を海に放り込むのなら、私も死にます!」
「そいつは、困るな・・・」
ピストルの男は顎に手を当て、うーむと唸った。もし、子供を海へ放り込めば、碧が後を
追いかねない雰囲気なので、妙案を模索している風である。
「仕様がねえ。ガキも連れて行こう。なあに、雑用くらいは出来るだろうしな」
「そうと決まれば・・・おい、女。こっちへ来い。ガキ、お前もだ」
そうして母子は、男たちの船へ連れて行かれた。このような悲劇が紡がれているというの
に、皮肉にも空はどこまでも蒼く、海は穏やかだった。

狭い船上に男が五人。女は碧、ただ一人。船首の方に、彼女の一人息子の高志がいて、
どうにもならない状況に絶望している様だった。
「名前を教えてもらおうか。女、じゃ何となく趣が無い」
「碧・・・と言います」
「碧、か。俺は北島。これでも、海軍の少尉だったんだが」
あのピストル男はそう言って、碧の肩を抱いた。ブラウスを破られた碧は、さらしを巻いた
乳房を手で隠し、恥じ入っている。

「・・・そんな立派な方が、どうしてこんな無体な事をなさるんですか?」
「敗軍の将なんざ、惨めなもんさ。鬼畜米英にこてんぱんにのされて、ほうほうの体で帰
ってきたら、故郷は焼け野原になっちまってるしよう。おまけに食い物不足で、百姓に頭が
あがらねえときてる。この国はもう、終わりなんだ」
北島の手が、乳房を隠す碧の手を跳ね除けた。
「あっ・・・」
柔らかな果実を、北島の手が包み込む。その動きは老いぼれを射殺した荒々しさとは
無縁の、優しい愛撫であった。
350 名前: パパイヤ [sage] 投稿日: 2006/06/02(金) 18:28:41 ID:J0DAPbDg
「おう、いい反応じゃねえか。旦那に、しっかり仕込まれてるな」
「ううっ・・・いやあ・・・」
さらしを緩められ、乳首を指でこねられた碧はいやいやと頭を振った。人の妻である自分
が他人の手で、それも周りを獣同然の男たちに囲まれた上で、悪戯を受けているのだ。
それだけならばまだしも、すぐ傍には高志までいる。

まさか息子の前で、これ以上の無体をされては・・・そう考えるだけで、碧は頭の芯がかっ
と燃えるように熱くなるのである。しかし、悲しくも彼女の予感は的中してしまう事になる。

「おい、碧。スカートは自分で脱ぐんだ」
「ま、まさか、こんな所で・・・」
北島の命令に、碧は震え上がった。船上で裸になれと、この男は言うのである。
「息子がいます・・・どうか、ご慈悲を」
「いいじゃねえかよう。ガキだって見たいさ、美人のおっかさんが恥をかく所をよ・・・」
北島は両の乳首を指先で弄びながら、碧の唇を吸った。吸って、何回か噛んだ後に、船首
の方に居る高志を見据え、脅しにかかるのである。拒否すれば、息子の命は無いぞ、と。

「ああ・・・あなたは、悪魔だわ・・・」
肩を抱かれながら、碧はスカートを止めているボタンを外した。下着は麻混じりの手作りで、
ガサガサと肌触りは悪いものの、どこかセクシーな雰囲気を漂わせている。
「パンツも脱ぎな」
「・・・恥ずかしいわ」
「脱がなきゃ、出来ねえだろうが」
「・・・・・」
ちょいと不貞腐れながらも、碧は下着にも手をかけざるを得なかった。男五人の前で裸身
を晒すなどというのは、考えた事も無かったが、息子を、高志を守るためと己に言い聞か
せ、抗いはしなかった。
351 名前: パパイヤ [sage] 投稿日: 2006/06/02(金) 18:45:15 ID:J0DAPbDg
「脱いだら、さっさと足を開くんだ」
北島は船板に碧を寝かせると、自分もズボンを脱いで薄汚い男根をさらした。残りの男
たちも同様にしたので、女一人に対して浅ましい事、この上ない。

「ああ・・・あなた、許して」
「旦那に操を立てられなくって、ごめんなさいか?今の時代に、そんなもん流行らねえぜ」
北島は碧の両足を持ち、深々と男根を挿入した。たいした愛撫もせず、己の欲望のみに
従ったのだ。
「うッ!」
碧はうめいた後、背を仰け反らせた。そして苦悶の表情を見せながら、男の暴力から逃れ
ようとするのだが、女穴をがっちりと肉の凶器で塞がれ、体を動かす事が出来ずにいる。

「久しぶりの女だ。楽しませてもらうぜ、碧」
「うッ・・・ううッ・・・」
碧は手で顔を覆い、声を殺して泣いた。本当は、身も世も無いと言った感じに泣き叫びた
かったが、船首にいる息子が怖がると思い、出来なかった。夫でもない異性の男根が自
分を犯す感触は、おぞましいばかりで少しも気分を高めてくれない。なので、碧はすすり
泣きをして、相手に身を任せるしかなかった。

「よがってるぜ」
「北島さんのモノ、でかいからな。たまらんのだろう」
男たちは口々にはやしたて、碧が犯される姿に見入った。美しい人妻が犯されるという姿
は、荒涼とした戦地から帰還した男たちにしてみれば、素晴らしく楽しい余興なのであろ
う、誰もが薄汚い酒瓶を手にして、安酒をあおっていた。
352 名前: パパイヤ [sage] 投稿日: 2006/06/02(金) 19:06:45 ID:J0DAPbDg
久しぶりの女という割りに、北島は小癪な腰使いで碧を犯している。ズン、ズンンと船の
揺れに合わせるように男根を出し入れし、それが女の最も深い部分まで入って来ると、
碧の表情が苦しげになり、また浅い場所へ戻されると安堵のため息を漏らすので、その
様子を見て、楽しむのである。それを幾度も繰り返し、時に唇を吸い、乳房も弄んだ。

これ即ち、男女の営みなのだが、始めは嫌がっていた碧も、男を知っている体が疼き始
めている。戦地に赴いた夫の為に閉じておいた蕾が、、北島のせいで芽吹いてしまった
である。
「あッ・・・いや・・いや・・・だ、だめ・・・」
ふうふうと息を荒げ、碧の体に緊張が走った。全身にうっすらと汗が滲み、足の先をぴ
いんと伸ばす様子を見てにやつく男たちが、船首にいる高志へ話しかける。

「腰を使い出したぜ、お前のおっかさん」
「腰・・・?」
「そうだ。お前もいつか分かるが、女は気持ちよくなるとああやって、ほれ、ひひひ・・・」
「母ちゃん、気持ち良いの?」
「ああ。見とけよ、ぼちぼち良い泣き声を上げるだろう」

男たちの言うように、碧は次第に肌を赤らめ、ふうふうから、はッはッと、息を荒げた。
北島は碧を全身で抱きこむように体を重ね、唇を奪いながら激しく腰をうねらせている。
「おお・・・出るぜ」
「ああッ!見ないで、高志!お母さんを、見ないで・・・」
碧は北島の背に爪をかけ、上り詰めた。半目になり、うわ言の様に見ないで、見ないで
と繰り返しつつも、膣内を満たす男の体液をしっかりと受け止めるのであった。
353 名前: パパイヤ [sage] 投稿日: 2006/06/02(金) 19:23:18 ID:J0DAPbDg
男たち──を、あえて呼ぶとすれば、海賊だろうか。北島を始めとする復員軍人ら五人
は、夜になるまでたっぷりと碧を抱いた。しかも、一人が二回も、三回もするので、犯し
抜かれた碧は、しまいにはぴくとも動けなくなっていた。

「おい、そろそろ休みを入れよう」
「そうだな。せっかくの女だし、壊したらもったいないもんな」
五人はさんざ犯した碧を放置し、船の後部で酒盛りを開始した。その隙を見て、高志が
碧の傍らに近づいていく。

「母ちゃん、無事か?」
「た・・・高志・・・ごめんね、怖かったでしょう?」
一糸まとわぬ素肌を息子に見られても、もう隠す元気もない。数時間ぶりに果たした母
子の再会は、さながら疲れ果て見る悪夢と言えた。
「母ちゃんの服、そこいらにあるかしら?」
「さらししか見当たらない」
「それでいいわ。取って」
碧はやっとの思いで起き上がると、乳房を覆っていたあの布を半分に裂き、髪を結った。

「何とかして、逃げ出さないと、ね」
「でも、母ちゃん。ここは海の上だよ」
「大丈夫、母ちゃんがあなたを守ってあげるから。でも、そのために、あいつらを油断さ
せる必要があるわ」
碧はよろよろと立ち上がり、酒盛りをする男たちのもとへ向かった。すでに満身創痍の
有り様なのに、更に己の体に鞭をふるっていた。
354 名前: パパイヤ [sage] 投稿日: 2006/06/02(金) 19:40:43 ID:J0DAPbDg
「賑やかね。私も、混ぜて欲しいわ」
「おう、碧か。こっちへ来いよ」
手招くのは北島である。碧は招かれるまま、男たちの座に加わり、杯を回してもらった。

「私たち、これからどうなるのかしら」
碧は、自分の置かれた立場を分かっているという感じで、控えめに言う。
「なあに。俺たちについて来れば、ひもじい思いはさせねえよ。何時までもこうやって、楽
しくやっていこうじゃねえか、ハハハ」
「そのうち孕むだろうから、必ず女の子を産んでくれよ。男ばかりじゃ、色気がねえからな」
「がんばってみるけど、保証は出来ないわね。ウフフ」

碧が蓮っ葉に笑うと、男たちもつられて笑った。そうして宴もたけなわとなり、酒が進むと男
たちは次々に倒れていった。女を抱き、疲れた体に飲酒ときて、正気を保ってはいられなか
ったのである。気がつけば北島以下、全員が甲板で寝そべりくさっていた。
「やっと、寝たわね。この畜生ども」
いびきをかく男五人の前に立ち、碧は口元を歪めた。自分を二度も三度も犯した、にっくき
野郎どもが全員、正体を失っているのである。これが、笑わずにいられようか。

「高志、舫いであるおじさんの船に移るのよ」
「母ちゃんは?」
「すぐ行くわ」
そう言うと碧は酒瓶を逆さまにして、文字通り浴びるように男たちへ酒を振舞ってやった。
もとは工業用アルコールだったと思われる酒は、多少、薄まっているが、中々に度数が
高そうである。
355 名前: パパイヤ [sage] 投稿日: 2006/06/02(金) 19:56:56 ID:J0DAPbDg
その後、碧は死んだ老いぼれの船へ飛び乗った。男たちはこの小船も奪い、自分たち
の物にするつもりで、牽引していたのだ。
「おじさんは?」
「ここだよ。冷たくなってるけど・・・」
「かわいそうに・・・いい人だったわ」
老いぼれの骸に手を合わせてから、碧は近くに落ちているタバコをマッチを拾った。老い
ぼれが、死ぬ直前に吸っていた物である。

「母ちゃん、タバコなんかどうするの?」
「いいから、あなたは船を舫いである縄を切るのよ。ほら、ナイフがそこに」
碧は船のエンジンをかけ、タバコを口に咥えた。そしてマッチを擦って、軽く紫煙をくゆら
せてみる。
「仇を討ってあげるわ、おじさん」
自船を男たちの船から離しつつ、碧は咥えていたタバコを放り投げた。タバコは海風に
乗り、放物線を描いて酒まみれの男たちの所まで飛んでいった。

「ぎゃあ!」
ボン、という爆発音が先か、男たちの悲鳴が先か──どちらにせよ、男たちが乗っていた
船は爆発し、炎にまみれた。闇の中に五本の火柱が立ち、辺りを明々と照らすのである。
もちろん、火柱はあの男たちだ。

「やったわ」
碧は踊り狂うように焼け死んでいく五人を見つめていた。その眼差しは冷酷で、息子の前
で母親を犯す狂人どもなどは、死んで当然という態度であった。
「母ちゃん、おじさんはどうする?」
「そうね。根っからの漁師だったから、海に返してあげましょう」
燃え盛る船を後にして、母子は島を目指した。途中で老いぼれの骸を海葬とし、朝を待っ
ている時、不意に高志が呟いた。
356 名前: パパイヤ [sage] 投稿日: 2006/06/02(金) 20:13:12 ID:J0DAPbDg
「母ちゃん、俺・・・なんだか変なんだ」
「何が?」
「何ていうか、チンコが硬くなって、白いおしっこが出た」
「ま、まあ・・・」
碧は思わず頬を赤らめた。息子の言わんとしている事が、理解できたからだ。

「母ちゃんが、さ・・・あいつらに何かされてた時、いっぱい出たんだ」
「こ、困ったわね、そんな事を言われても」
相手が息子と分かっているが、碧は思わず裸身を隠した。そういえば、ずっと裸だった。
しかも、高志の目が食い入るように、自身の乳房へ向けられている。気にならぬ訳が無
い。

「俺もあいつらみたいに、母ちゃんと出来るのかな」
「さ、さあ・・・どうなのかしら・・・ねえ」
すっとぼける碧。と言うか、そうする以外、法が無かった。
「白いおしっこの話はここまでにして、少し寝なさいな」
「うん。ここで寝ていいかな」
高志は母の足に手を伸ばし、膝枕をせがんだ。激しい男たちの陵辱を受けた下半身だっ
たが、碧は息子の無邪気な甘えを拒みはしなかった。

「何か、お話してくれる?」
「悲しいお話がいい?楽しいお話がいい?」
「楽しいお話がいいかな・・・」
「そうねえ、じゃあ・・・」
碧が昔話を始める頃、空が明るんで、北天の星は薄らいでいた。願わくば、この後に昇る
陽が、母子をぺろたん島まで導かん事を。

おしまい

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